ノウゼンカズラは、夏に鮮やかな花を咲かせる美しいつる性植物です。
しかし、その美しさの裏に少し怖いイメージがあることをご存じでしょうか。
ノウゼンカズラには、松との伝説や、女性に不幸が訪れるという言い伝えがあります。本当でしょうか?
この記事では、そんなノウゼンカズラの「怖い」とされる理由や、花言葉に込められた「女性らしさ」や「愛らしさ」の意味について、詳しく解説していきます。
「ノウゼンカズラ」とかけまして
「女性らしさ」ととく
その心は…
どちらも 華(花)があって魅力的 でしょう
う~んイマイチ
- ノウゼンカズラの怖いイメージの由来や伝説について
- ノウゼンカズラの花言葉に込められた意味とその背景
- ノウゼンカズラを庭に植えてはいけないと言われる理由
- 美しさと「女性らしさ」「愛らしさ」などのポジティブな花言葉
ノウゼンカズラの花言葉が怖い?
ノウゼンカズラとは
ノウゼンカズラは、6月から8月ごろに美しい花を咲かせるつる性の植物です。
花の色は、鮮やかなオレンジ色から赤色で、花の形はラッパのように広がっています。
よく、フェンスや壁などを覆うように広がっている姿を見かけるのではないでしょうか。
ノウゼンカズラの和名は「凌霄花」(リョウショウ)と書きます。「霄(しょう)」というのは「空」のことを指し、「凌(しの)ぐ」というのは「越える」という意味です。
つるが空高くまで伸びていく様子から、「空を越える花」という意味でこの名前がつけられました。
また、ノウゼンカズラのつるはとても強く、他の植物に絡みつきながら成長していくため、この力強さも名前に込められているようです。
外国では「トランペット・バイン(Trumpet Vine)」や「チャイニーズ・トランペット・フラワー(Chinese Trumpet Flower)」と呼びます。
これは、花の形がトランペットに似ているからです。
西洋の人々も、この花の美しさと形から楽器を思い浮かべたのかもしれませんね。
花言葉が怖いと言われる理由
ノウゼンカズラには、日本の古い伝説に基づく少し怖い話があります。
この伝説は、「松とノウゼンカズラ」にまつわるものです。
その内容には、ノウゼンカズラの「怖さ」を感じさせる要素が含まれています。
松とノウゼンカズラの伝説
昔あるところに、1本の立派な松の木がありました。
松はまっすぐに空へ向かって伸び、風雨に耐えて堂々と立っていました。
その松の根元には、1株のノウゼンカズラがありました。
ノウゼンカズラはつる性の植物なので、松に絡みついて伸び花を咲かせていました。
ところが、ノウゼンカズラは松に絡みつく力がとても強く、次第に松の木を締め付けていきました。
松はノウゼンカズラの重さや絡みつきに耐えられなくなり、少しずつ元気を失っていきました。
そして、ついには松は枯れてしまい、ノウゼンカズラだけが残ってその場を覆うように広がったのです。
私…あなたに死ぬまで絡みついて離さないからね・・
と、取れなくもない。
この伝説の怖さは、ノウゼンカズラの「しつこさ」や「執念」にあります。
松は強くて立派な木として知られていますが、ノウゼンカズラに絡みつかれたことで枯れてしまったのです。
まるでノウゼンカズラが松の命を奪ってしまったかのように見えます。
また、ノウゼンカズラは一見美しい花を咲かせますが、その裏で何かにしがみついて生きていくという姿が、少し怖い印象を与えます。
人々はこの伝説から、ノウゼンカズラを「美しさの中に潜む怖さ」を持つ花だと感じたのかもしれません。
松のように強いものでも絡みつかれて枯れてしまうという話は、私たちに「何かに執着しすぎる怖さ」や「見かけだけではわからない危険」を教えてくれているのかもしれません。
もう一つあります。
家の庭にノウゼンカズラを植えてはいけない?
ノウゼンカズラには古くからの言い伝えがあります。
「家の庭にノウゼンカズラを植えると、家の女性に不幸が訪れる」というものです。
このため、昔の人はノウゼンカズラを家に植えることを避けたとも言われています。
ノウゼンカズラはとても強いつるを伸ばして、木やフェンスに絡みついて育ちます。
この姿が、まるで何かにしがみついて離れないように見えたため、昔の人々は「ノウゼンカズラが何か悪いことを引き寄せるのではないか」と感じたのかもしれません。
特に、女性が家の中にいる事が多い時代だったため、「ノウゼンカズラが家の女性に悪い影響を与えるのではないか」という不安が広まったと言われています
このように、ノウゼンカズラの花言葉や外観、言い伝えから、「怖い」と感じる理由が生まれたのかもしれません。
実際の花はとても美しいのですが、人の心にさまざまなイメージを抱かせる植物でもあります。
ノウゼンカズラの花言葉が怖いのは伝説だけ
ノウゼンカズラの花言葉
ノウゼンカズラにはポジティブな花言葉があります。
女性らしさ
誘惑
名声
栄光
愛らしさ
代表的なものから珍しいものまで、その言葉には花の特徴や育ち方に由来する意味が込められています。
女性らしさ
ノウゼンカズラの花は大きくて華やかでありながら、優雅でやさしい印象を与えます。
そのため、「女性らしさ」という花言葉がつけられました。
夏の日差しの中で、しなやかに咲くノウゼンカズラの姿が、上品でしとやかな女性をイメージさせるのでしょう。
誘惑
「誘惑」という少し珍しい花言葉もあります。
これは、ノウゼンカズラの花が鮮やかな色で目を引きつけることからつけられました。
夏の間、たくさんの花が咲き乱れる様子は、見る人の心を魅了し、強く引きつける力を感じさせます。
ノウゼンカズラの花がまるで「私を見て」と誘うように咲く姿から、この花言葉が生まれたのです。
名声
「名声」という花言葉は、ノウゼンカズラの花が高い場所で大きく咲くことに由来しています。
つるを伸ばして空に向かって成長し、見上げるような位置で美しい花を咲かせる姿が、まるで有名な人物が人々の注目を集めているかのように見えることから、この言葉がつけられました。
栄光
「栄光」という花言葉も、ノウゼンカズラが高い場所で鮮やかに咲く様子に由来します。
ノウゼンカズラのつるは強く、どんどん高く伸びていきます。
そのため、どんな困難でも乗り越えて成功を手に入れるという「栄光」を象徴していると考えられています。
愛らしさ
ノウゼンカズラの花の形は、どこか愛らしく、親しみを感じさせます。
つる性植物であり、どんどん伸びていく姿は元気で明るいイメージを与えます。
そんなノウゼンカズラの可愛らしい面を表すために、「愛らしさ」という花言葉が使われるようになりました。
このように、ノウゼンカズラの花言葉には、花の姿や成長の様子、そして見る人の心に感じさせるイメージが込められています。
高く伸びるつるや華やかな花からは、強さと美しさが伝わってきますね。
ノウゼンカズラの豆知識
ノウゼンカズラは、夏に鮮やかな花を咲かせることで知られていますが、実は意外と知られていない興味深い事実もあります。
ここでは、そんなノウゼンカズラの豆知識を紹介します。
花の色は温度で変わる
ノウゼンカズラの花は、温度によって少し色が変わることがあります。
暑い夏の日差しを浴びると、オレンジ色が濃くなり、時には赤っぽく見えることもあります。
気温や日差しの強さによって花の色合いが変わるのは、まるで季節の移り変わりを映し出しているようです。
自家受粉ができない
植物の中には、自分の花粉だけで実をつける「自家受粉」ができる種類もありますが、ノウゼンカズラは自分の花粉だけでは受粉できません。
ほかのノウゼンカズラの花の花粉を必要とする「他家受粉」が必要です。
そのため、ノウゼンカズラを植えるときは、近くに他のノウゼンカズラもあると、実をつけやすくなります。
この特徴から、ノウゼンカズラが「つながり」を大切にしている植物だともいえます。
ノウゼンカズラのつぼみは食べられる
驚くことに、ノウゼンカズラのつぼみは食べることができるとされています。
中国では、昔からノウゼンカズラのつぼみを乾燥させて、お茶や漢方薬として使っていたそうです。ただし、食べるためには正しい知識が必要なので、興味本位で試してはいけません。
今ではあまり一般的ではありませんが、ノウゼンカズラには昔からの利用方法があったのです。
「西洋ノウゼンカズラ」という別の種類もある
私たちがよく見かけるノウゼンカズラは「中国ノウゼンカズラ」と呼ばれる種類ですが、
実は「西洋ノウゼンカズラ」という別の種類もあります。
西洋ノウゼンカズラは、北アメリカ原産で花の形がやや細長く、オレンジや黄色の花を咲かせます。
中国ノウゼンカズラと比べて寒さに強く、育てやすいのが特徴です。
日本で見かけるノウゼンカズラは、この西洋ノウゼンカズラと中国ノウゼンカズラが交配して生まれたものも多いです。
実は根っこが薬になる
ノウゼンカズラの根っこには、薬としての効果があるとされています。
昔の中国では、ノウゼンカズラの根を乾燥させて、腫れを抑えたり、血の巡りをよくする薬として使っていました。
これは漢方薬の一つで、今でも一部の地域では伝統的な薬として使われることがあります。
中国では長寿の象徴
ノウゼンカズラは、もともと中国が原産の植物で、古くからその美しい花を愛されてきました。
中国では、ノウゼンカズラが「長寿の象徴」として大切にされることがあります。
これは、ノウゼンカズラが非常に長生きする植物だからです。一
度植えると、何十年もつるを伸ばし続け、毎年美しい花を咲かせます。
このため、中国では「長生きして幸せでありたい」という願いを込めて、庭にノウゼンカズラを植える習慣があったのです。
自力で登れない花
ノウゼンカズラはつる性の植物ですが、他のつる性植物のように自分の力だけで高く登ることはできません。
ノウゼンカズラのつるは、壁や木などの他のものに絡みついて初めて上に伸びていけるのです。
この特徴から、ノウゼンカズラを育てる際には、フェンスや支柱などを用意してあげる必要があります。意外と「助けが必要な花」なのです。
花の蜜は虫を引きつける
ノウゼンカズラの花には甘い蜜がたくさん含まれています。
この蜜の香りに引き寄せられて、夏になるとたくさんの虫たちが集まります。
特に、アリやハチが蜜を求めて集まることが多いです。
虫たちが花の中を出入りすることで、ノウゼンカズラの受粉を助けてくれます。
ノウゼンカズラの花が毎年咲くのは、虫たちの働きも一役買っているのです。
ノウゼンカズラの樹液には注意が必要
ノウゼンカズラのつるや葉からは、少しべたべたした樹液が出ることがあります。
この樹液は人の皮膚に触れると、かぶれを起こすことがあるので注意が必要です。
特に、手で触った後に目や口をこすってしまうと、かゆみや痛みを感じることがあります。
花はとてもきれいですが、触るときは少し気をつけましょう。
名前に「カズラ」がつく理由
ノウゼンカズラの「カズラ」とは、つる性の植物を意味する言葉です。
日本では、つるが絡むように伸びる植物を「カズラ」と呼ぶことがあり、ノウゼンカズラもその一つです。
ちなみに、「カズラ」とつく植物には他にも「サルナシカズラ」や「キンポウゲカズラ」などがあります。
それぞれ、つるの形や生え方が違うので、見比べてみると面白いかもしれません。
このように、ノウゼンカズラには美しい見た目だけでなく、あまり知られていないさまざまな特徴や秘密があります。
身近な植物でも、調べてみると新しい発見がたくさんありますね。
まとめ:ノウゼンカズラの花言葉が怖い 私…あなたに死ぬまで絡みついて離さないからね・・
この記事のポイントをまとめます。
- ノウゼンカズラは6月から8月にかけて美しい花を咲かせるつる性植物である
- 花の色は鮮やかなオレンジから赤色で、ラッパのような形をしている
- 「凌霄花」という和名は「空を越える花」という意味を持つ
- 松に絡みつき枯らしてしまう伝説があり、怖いイメージが伝えられている
- 庭に植えると家の女性に不幸が訪れるという古い言い伝えがある
- 花言葉には「女性らしさ」「誘惑」などのポジティブな意味もある
- 「誘惑」という花言葉は、鮮やかな色で人を引きつける姿に由来する
- 「名声」「栄光」は、高い場所で花を咲かせる姿からつけられた花言葉である
- 自力で高く登れず、他のものに絡みついて伸びるため「しつこい」という印象がある
- ノウゼンカズラのつぼみは食べられるが、正しい知識が必要である
- 「西洋ノウゼンカズラ」という別の種類もあり、寒さに強い特性を持つ
- 根には薬効があり、腫れを抑えるために漢方薬として利用されていた
- 花の蜜は虫を引きつけ、受粉を助ける役割を果たしている
- 樹液はかぶれの原因になるため、触れる際には注意が必要である
- 「カズラ」とはつる性植物のことで、絡みつく姿からこの名がついた